AI×CAEの活動を行っている弊社は、サロゲートモデルについても調査・研究しております。その結果、3次元サロゲートモデルの作成に成功したため、その結果をここにご報告します。
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3次元サロゲートモデル の実施内容について以下に示します。
・3次元メッシュモデルに対して、AIによるサロゲートモデルを適用するため、3次元の片持ち梁モデルで検証を行った。
・AIモデルをトレーニングするため、6種類の断面形状をもつ梁モデルを用意した。それぞれの断面形状に対して50パターンの寸法違いを用意し、合計300の形状モデルを準備した。
・解析は弾塑性解析とし、3種類の材料モデルを準備した。これにより、モデルのバリエーションは形状300種×材料3種=900となる。
・境界条件は、一端完全拘束、他端面外荷重の片持ち梁条件で固定する。荷重は1ステップ10Nを、50ステップ、合計500N載荷した。
・要素はテトラ2次要素を使用した。
トレーニングモデルの設定について以下に示します。
計算メッシュモデルの例 について以下に示します。
3次元サロゲートモデルの検証結果について以下に示します。
・AIによる3Dサロゲートモデルの予測精度を検証するため、トレーニングに使用していない検証用梁モデルを用意し、FEM計算結果とサロゲートモデル予測結果を比較した。
・弾塑性材料を使用したため、拘束点付近上面にある節点のミーゼス応力履歴は、降伏点を超えて塑性域に入る。FEMとサロゲートモデルの応力履歴はほぼ一致している。(下記参照)
・最終ステップにおけるモデル全体の変位と応力の分布は、FEMとサロゲートモデルで良く一致している。(下記参照)
・以上の結果から、十分にトレーニングされた3Dサロゲートモデルは、弾塑性挙動を良く追従できると判断された。
・計算時間は、FEM解析は数分、サロゲートモデルは数秒の大きな差異が観測された。
ミーゼス応力のステップの履歴を比較した結果を以下に示します。
ミーゼス応力の比較を以下に示します。 2つの図がありますが、上図がFEMの解析結果、下図がAIモデルの結果になります。
変位量の比較を以下に示します。 2つの図がありますが、上図がFEMの解析結果、下図がAIモデルの結果になります。