3D AIのパイオニアとしての活動概要 - 株式会社アストライアーソフトウエア

活動概要

このセクションでは、アストライアーソフトウエアの3D AIのパイオニアとしての活動を紹介します。

まず、現在のAI技術の問題点と限界、3D AI技術の必要性とその利用方法について説明します。

現在のAI技術の限界

 製造業や建設業などの産業では、3Dデータの使用が標準となっています。CAD(コンピュータ支援設計)、CAM(コンピュータ支援製造)、CAE(コンピュータ支援工学)などの技術は、すべて高度な3D CADシステムによって作成された3D形状に基づいています。これらの技術は、複雑な製品や構造物の設計、シミュレーション、製造に不可欠です。

しかし、現在のAI技術は3D形状の認識と処理に関して大きな限界に直面しています。従来のAIモデルは主に画像やテキストなどの2Dデータを扱うように設計されており、3Dデータの複雑さを解釈するのが困難です。この技術的ギャップは、3Dデータに大きく依存する産業にとって深刻な課題となっています。

なぜ3DモデルにAIが必要なのですか?

この限界に対処する課題は最も緊急性があります。産業が進化し、より高度で効率的なプロセスの需要が高まる中、3Dデータとシームレスに統合できるAIの必要性はますます高まるばかりです。この能力がなければ、企業はプロセス革新と効率化の面で遅れを取り、競争力を失う可能性すらあります。

これらの分野でAIの潜在能力を最大限に活用するためには、3D形状を正確に認識し、解釈し、利用できるAIモデルを開発することが不可欠です。この限界に対処することは、単なる技術的進歩の問題ではなく、私たちの経済の基盤を形成する産業の継続的な成長と競争力を確保するための重要なステップです。したがって、これらの技術にAIを導入する際には、AIが3D形状を認識することが重要おです。

結論として、 効率性向上、速度向上、スケーラビリティコスト削減のためには、AI技術が必要不可欠です。

テキスト、2Dデータ、3DデータにおけるAI技術の比較についてまずお話します。

テキストベースAIとの3D AIの比較

AIの主要な機能の一つであるデータベース検索を例に取ります。

テキストベースのAIでは、部品番号などの文字情報を手掛かりに、類似形状を探す必要があります。しかし、手掛かりの文字情報は、あらかじめ人により検索内容を想定して準備しておく必要があり、周到な準備と膨大な手間が必要です。 またそのメンテンナンスには多くの労力を要します。

AIが3次元形状を認識できれば、検索対象に類似した形状をデータベースから検索できます。そのため事前に必要な準備は、CADなどの3次元形状データを用意する他に必要ありません。

2次元画像AIと3D AIの比較

3次元形状をAIに認識させる試みは以前から行われていますが、3次元形状をそのまま認識させる技術がないため、3次元形状に対して20個程度の異なる視点からスナップショットを撮影し、その2次元画像群から3次元形状を2次元AIに認識させるなどの代替策が取られていました。

これは2次元画像認識の延長線上の技術であり、3次元形状が複雑になると、穴形状などが影になり画面に表示されないケースも散見され、認識精度を保つことが難しくなるなどの問題もありました。

弊社が研究開発を進めてきた3次元AIの技術では、3次元形状を構成する節点(頂点、座標位置)と要素(節点結合情報)から直接的に形状を認識することができます。そのため、穴などの形状が隠れることはなく、寸法も座標位置から把握することができ、3次元形状のクラス分けやマッチングに活用できます。また座標位置を持っているので、新たに3次元形状の生成も可能です。

さらに3次元スキャナーで取り込まれた3次元形状もそのまま認識でき、クラス分けやマッチングなどができ、設計プロセスの様々なシーンで活用できます。

3D AI技術の潜在的な応用

3D AI技術は複数の分野で変革的な可能性を提供します。ここでは、3D AIが適用できる主要な分野をいくつか紹介します。

– 製造業

製造業では、3D AIがCAD(コンピュータ支援設計)、CAM(コンピュータ支援製造)、CAE(コンピュータ支援工学)などのプロセスを大幅に強化できます。サロゲートモデルを利用することで、3D AIはシミュレーションを最適化・効率化し、より効率的で正確な設計および生産ワークフローを実現します。これにより、コスト削減、製品品質の向上、市場投入までの時間短縮が可能になります。

– 製品ライフサイクル管理

製品ライフサイクル全体を通じて、3D AIは設計から廃棄までのさまざまな段階で重要な役割を果たすことができます。例えば、3Dモデルの検索や分類に使用することで、設計データの管理や取得が容易になります。マッチングアルゴリズムは、類似した部品やコンポーネントを特定するのに役立ち、再利用を促進し、冗長な設計の必要性を減らします。これにより、製品開発と管理における全体的な効率性と持続可能性が向上します。

– デザインとイノベーション

デザインの分野では、3D AIが新しいモデル形状の合成を可能にすることで、イノベーションを促進できます。既存のデザイン要素を組み合わせることで、AIは従来のデザインプロセスの限界を超える新しい創造的なソリューションを生成できます。この能力は、自動車、航空宇宙、消費者製品などの産業において競争力を維持するために、独自で最適化されたデザインに特に価値があります。

上記の分野に限らず、他にもいくつかの応用があります :

  • 医療: 3D AI は、解剖学的構造の詳細な 3D モデルを提供することで、医療画像診断と手術計画を改善し、診断と治療を支援します。
  • 建築: ビルディング インフォメーション モデリング (BIM) を強化し、より正確で効率的な建設計画と実行を可能にします。
  • ロボット工学: ロボットが 3D 環境を理解して対話できるようにすることで、ロボットの認識および操作能力を向上させます。
  • 都市計画: 都市とインフラストラクチャの詳細な 3D モデルを作成することにより、都市空間の設計と分析を支援します。

活動目標

AI/CAE/クラウドの融合

私たちの活動目標は、CAE、AI、クラウド技術の融合と大企業から中小企業までの技術浸透です。

大企業で培われた先端技術を産業構造の隅々にまで浸透させ、日本の製造業全体を力強くサポートしていきます。

製造業設計現場において既に数十年の実績のあるCAE技術に、3D AI技術を統合し、新しい付加価値を創造していきます。

さらにクラウド技術でユーザー負担を軽減しながら、稼働性・効率性・コストに優れたシステムを提供します。

当社の技術と製品

3D AIにおける当社の主要技術の特徴については、「3D AIモデルの概要」をご覧ください。

ARIES製品ラインナップが3製品から6製品に拡大しました。当社製品の詳細については、「ARIES製品シリーズ」をご覧ください。