弊社が世界に先駆けて開発した3D 形状分類 の技術について、ご紹介します。
3D形状分類は入力された3D形状をあらかじめ定義されたクラスに分類する作業の事を言い、弊社は世界に先駆け3D形状分類を実行する3D AIモデルを開発しました。
たとえば製品に必ず含まれるボルト、ねじ類を分類するとします。
ボルトの形状全体を見て分類もできますが、ボルトの特徴はボルトヘッドの形状であるため、ここではボルトヘッドのみで分類します。
形状の特徴を可能な限り保存する3D畳み込み技術を採用しているため、形状の一部に注目して分類することも、形状全体を見渡して分類することも可能です。
長年にわたり、CAD (コンピュータ支援設計)、CAM (コンピュータ支援製造)、CAE (コンピュータ支援エンジニアリング) 向けに設計されたシミュレーションは、製造業や産業部門に不可欠な存在でした。確立された業界では、長年にわたって蓄積された数百、場合によっては数千の 3D データ モデルを所有していることがよくあります。このような膨大な設計コレクションを管理することは、複雑で困難な作業です。
3D 形状分類は、製造、ヘルスケア、仮想現実など、さまざまな業界にとって不可欠です。3D 形状を正確に識別して分類することで、企業はプロセスを合理化し、製品の品質を向上させ、ユーザー エクスペリエンスを強化できます。
幸いなことに、AI は、特に畳み込み法の発見以降、さまざまなアプリケーションで分類に優れた能力を発揮しています。現在弊社は、高度な 3D 形状分類テクノロジーを使用して、この専門知識を 3D データに適用しています。
3D 分類AIの主な利点は、効率性、汎用性、および拡張性です。
当社の 3D 形状分類システムは、最先端の畳み込みニューラル ネットワーク (CNN) と、幾何学的特徴に基づいて 3D オブジェクトの形状を分析および分類できるその他のアーキテクチャを活用しています。メッシュまたはポイントクラウドのいずれかの 3D オブジェクトの特徴を処理することにより、AI アーキテクチャはカスタム設計されたクラスに基づいて正確な分類を提供できます。
3D 分類の分野では、AI モデルは通常、教師あり学習の一種である識別モデルを採用しています。つまり、トレーニング プロセスを開始する前にクラスを事前に定義する必要があります。3D モデルの形状から抽出された特徴は、分類する必要のある特定の側面に基づいています。したがって、すべての分類モデルが同じ特徴を使用するわけではありません。ある AI モデルで重要な特徴が、別の AI モデルでも同じ重要性を持つとは限りません。
たとえば、ボルトを分類するために設計されたモデルでは、ボルトの頭の形状が重要な特徴となる可能性があります。しかし、パイプを分類することを目的としたモデルでは、直径と曲率がより重要になる可能性があります。この変動性は、手元の特定の分類タスクに合わせて特徴抽出を調整することの重要性を強調しています。そうすることで、AI モデルは分類の精度と関連性を高めることができます。
また3D形状分類は、単なるクラス分けだけではなく、他の業務にも利用することができます。
たとえばエンジンなどのアセンブリCADモデルからCAEシミュレーション解析用のメッシュモデルを作成するときに、分類したボルトタイプに従ったCAE結合モデルを自動挿入し、一連のメッシュモデル作成時間を大幅に短縮できます。
エンジンのアセンブリモデルは数百本のボルトが使用され、そのCAE結合モデルの作成に大量の時間を消費していました。
また射出成型用金型、鍛造用金型のNC旋盤用カッターパスを計算するときに、金型モデルからボルト穴形状を識別して全体形状から自動的に削除できます。
ボルト穴はNC加工の後工程で作成されるため、カッターパスの計算前に全体形状から削除する必要があるためです。